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座禅と瞑想の違いとは?瞑想の正しいやり方と効果

座禅する女性

世界のビジネスエリートやトップアスリートが、「脳の休息法」として日々のルーティン化し、取り入れている「マインドフルネス」

期待できる効果として、ストレス軽減・集中力やパフォーマンス向上・うつ病の改善などが見込まれており、コロナ禍の外出自粛のリフレッシュに、リモートワークの集中法として、自宅で手軽に始められるマインドフルネスは、今や世界的なブームとなっています。

マインドフルネスとは

では「マインドフルネス」は、どのように世界中へと広がっていったのでしょうか。

1970年代、アメリカの脳医学者であるジョン・カバットジン博士が、慢性痛によるストレスの対処法として、仏教のヴィパッサナー瞑想から着想を得たところから始まります。

博士の考案した「マインドフルネスストレス軽減法」は、慢性痛によるストレス軽減はもちろん、精神疾患への改善効果が認められ、やがて医療の世界を飛び出し、誰にでも実践できる「ストレス対処法」としてアレンジされていったのです。

博士の「信じなくとも効く」という言葉に表れているように、マインドフルネスは宗教から完全に切り離され、また科学的にその効果が実証されたことをきっかけに、世界のリーディングカンパニーが、従業員の能力開発とストレス軽減を目的に目を付け始めました

ストレスを感じる男性

ビジネス界への浸透を助長させた理由の一つとして、Apple創始者スティーブ・ジョブズの「禅」への傾倒があったことも否めないでしょう。

マインドフルネスの由来

上記の通り、そもそも「マインドフルネス」仏教の瞑想に由来するものでした。
「マインドフルネス」という言葉自体も、仏教における「念(サティ)」を英訳したもので、日本語では「気づき」「集中」「注意深い」と訳されます。

そしてそのやり方も、基本的には仏教の「座禅」と同じです。

静かに座り、背筋を伸ばす。
息は「鼻から吸う鼻から吐く」という腹式呼吸を心掛ける。
自分の呼吸に意識を集中させ、雑念が浮かび始めたら、再び意識を呼吸に戻す。

禅(Zenとは「瞑想」を意味しており、「座禅」とは座って行う瞑想のことです。
座禅は、禅僧が悟りの境地に至るために用いる修行法の一つとされています。

このように宗教的意味を除くと、「座禅」と「マインドフルネス」は同一のものに見えてきますが、実は両者には決定的な違いがあるのです。

座禅とは

ここで少し「禅」についてお話します。

「禅」という言葉は、「瞑想」を意味するインドのサンスクリット語「ディヤーナ」が、中国に「禅那(ぜんな)」として伝わり、それを「禅定」と日本で翻訳されたと言われています。

禅宗は、インド僧侶「達磨」が中国に来た事に始まり、日本では曹洞宗臨済宗黄壁宗が禅宗として有名です。

座禅を組むときは、座布団に結跏趺坐(けっかふざ/座禅する時の正式な座り方/あぐらや半跏趺坐でも良い)で座り、姿勢を正した状態で行います

この時、宗派によって身体の向きが異なります。
臨済宗・黄壁宗は壁を背に、曹洞宗では壁に向かい座禅を行うことが一般的です。

また重視される点も宗派によって異なります。

臨済宗「公案」により師から弟子へと教えを受け継ぎ、黄壁宗「念仏」を唱えることで行い、曹洞宗は座禅で悟りを開くのではなく、「只管打坐」の教義の通り、ただ無心で座ることが重んじられるのです。

座禅と坐禅

「座る」「坐る」どちらも「すわる」と読みますが、「座」「座る場所」を指し、「坐」「座る動作」そのものを指します。

またブッダは、屋根のない場所で座禅を組んだという言い伝えから、「广」のない坐禅が正式であると言われています。

しかし「坐」が常用漢字でないことから「座」の字が当て嵌められているのです。

マインドフルネスと座禅の違い

マインドフルネスは、不安の解消やストレス軽減・集中力アップやパフォーマンス向上などを目的にしています。
さらに健康効果まで得られた!これはとても素晴らしいことです。

効果があるからやってみよう!とこぞって世界中が注目しているのが、マインドフルネスです。

一方、座禅はどうでしょうか。

曹洞宗の「只管打坐」の教義にある通り、ただ座って瞑想することが重んじられるのです。そこに効果や目的を求めるわけでも、悟りすら求めるわけでもないのが座禅の本質です。

物事を究めるために、自己利益を求めるのではなく、実践すること自体を目的としているのです。

当然、瞑想は禅宗にだけ許された行いというわけではありません

スタイルは同じでも、目的や考え方が全く違うということを知ることで、より深く「瞑想」の本質を理解できるのかもしれません。

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