仕事の創造性と効率化にアプローチするマインドフルネス

コロナ禍が世界のVUCA化を増大させ、守りの姿勢の連鎖が経済を収縮させています。
今、目指すべきニューノーマルは、創造生産性の向上です。
人類はBeforeコロナ時代のように「仕事に対してかけた時間」を減らすことへの注力ではなく、「創り出す価値」をいかに最大化させるかへシフトしていかねばならないのです。
企業がイノベーションを起こし継続していくため、個人やチームが創造性を発揮し続ける仕事環境をいかに構築していくかが、この過渡期に重要なポイントだと言えます。
今注目されるマインドフルネス
いまやマインドフルネスは、企業にとって望ましいのではなく必須と言えるのではないでしょうか。
米グーグル、アップル、マッキンゼーなど、名だたる有名企業は集中力向上・生産性改善・ストレス軽減を目的とした研修に「瞑想(めいそう)」を取り入れています。

瞑想は元々、仏教における禅僧が悟りの境地に至るために用いた精神訓練のことです。
そこからヒントを得たアメリカの脳科学者ジョン・ガバットジンが体系化した「マインドフルネス(mindfulness)」は、瞑想から宗教的な要素を取り除き、手軽に導入しやすくさせたところに大きな特徴があります。
現在は心理学や医学の領域での研究対象となっており、その効果も脳科学的に効果が認められています。
マルチタスクからの解放
マインドフルネスを実践することで、知覚・身体感覚・情動制御・内省・複雑な思考、そして自己意識に関わる脳部位に変化を生じさせることを、神経科学者は示しています。
つまりマインドフルネスは脳を健全に保ち、自己制御や意思決定能力を支え、有害なストレスから自身を守るための方法なのです。
また現代人はマルチタスクを強要される社会環境ですが、人間の脳はひとつのことにしか集中できないことが判明し、マルチタスクは脳を疲弊させることが分かってきました。
創造生産性の向上を目指すのであれば、ひとつの事柄に焦点を当てる必要があるのです。

マインドフルネスの概念のひとつは、「いまこの時」にただ集中・没頭するためのメンタルトレーニングということです。
これを集団で行えば、創造生産性の向上はより顕著になるかもしれないのです。
米Googleではそこに着目し、Search Inside Yourself(サーチ・インサイド・ユアセルフ=SIY)というマインドフルネス研修プログラムを社内のエンジニアのチャディー・メン・タン氏が開発し、職場全体に導入をしたことで知られています。このSIYを参考に、さまざまな企業でマインドフルネスは導入されています。
プレゼンティズムの改善
さらに、WHOによって定められているパフォーマンス力の指標である「プレゼンティズム」が、マインドフルネス経験後では20%も改善することが明らかになっています。
プレゼンティズムとは、持てるビジネスパフォーマンス力の最大値のうち、実際に発揮できている値はいくらかという指標のことで、日本でも経産省が企業の生産性向上の指標として使用し始めたことで有名です。
経産省によると、現在プレゼンティズムによる経済的損失は一人当たり30万円にも及んでいます。
マインドフルネスで創造性を高める
「アハ体験」をご存じでしょうか?
「アハ体験」というのは、未知の物事に関する知覚関係を瞬間的に認識する事を指しています。
ひとつ例を挙げると、ニュートンが木から落ちるリンゴを見て「万有引力の法則」を発見したこと、これもアハ体験だと言えるでしょう。
つまり、ひらめきを起こし脳が活性化する現象を「アハ体験」と言います。

このひらめきを起こす脳波と言われるのが「ガンマ波」であり、ガンマ派はマインドフルネス瞑想で持続的に起こすことができるのです。
当然このような状態を引き起こすことは一朝一夕には叶わず、日々の訓練の賜物ではありますが、類いまれな才能である米Apple創業者スティーブ・ジョブズがひとりの曹洞宗高僧との出会いにより、マインドフルネス瞑想を毎日欠かさなかったという習慣には、納得性を感じざるを得ません。
Apple watchに搭載されている「呼吸」は、ジョブズの哲学であるマインドフルネスが受け継がれた機能の一つと言えるのではないでしょうか。
瞑想のやり方
瞑想は呼吸と姿勢が大切です。
座禅のようにあぐらを組んでも、椅子に座る姿勢でもいいですが、まず心身をリラックスさせ、背筋を伸ばした状態で体の前で手を組むことは守ってください。
次にタイマーをまず5分間にセットし、静かに目を閉じゆっくり呼吸を整えていきましょう。
初めは「鼻から大きく吸う、口から長く吐く」ことを強調することに意識を向けるとやりやすいと思います。
無意識の内に、初めて数秒で雑念が浮かぶことに気づくと思いますが、再び注意を呼吸に戻すことが大切です。
これを繰り返すことで、次第に雑念が浮かぶことがなくなります。
瞑想は、時間を問わず実践できますが、脳波がα派・θ派に近い状態の時が、瞑想に最も適しています。
つまり目覚めてすぐか、夜、寝る前が最適なのです。
不眠解消を目的にするなら夜、やる気向上を目的にするなら朝に試すといいでしょう。 習慣として、毎日取り入れることが肝心です。
中島正明オンラインサロンとは
5万人の指導実績を持ち、学術的・科学的アプローチにより確実に結果の出るメソッドを提供し続けている、ヨガ・瞑想講師のカリスマ 中島正明 と、その受講生の皆さまの交流・学習の場として、中島正明オンラインサロンは開校いたしました。
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