うつ病にアプローチする瞑想とは?

「コロナうつ」「産後うつ」「定年うつ」など、うつ病患者数は近年増加しており、およそ100万人にのぼると報告されています。
15人に1人が生涯のうちで、うつ病を経験しているとも言われており、誰にとっても身近な病気であるといえます。
人間誰しも、嫌なことや悲しいことが起こると、気分が沈んだりやる気がなくなったりすることはありますが、「うつ病」というのは一過性の気分の落ち込みではなく、興味や喜びの喪失が2週間以上続き、仕事や日常生活に支障をきたす場合のことを言います。
うつ病はストレスの元や悪い習慣などを断ち、さらに薬の服用などの治療が必要な病気なのです。
うつ病の原因とは
うつ病は、脳の働きに何らかの問題が生じた状態であると考えられており、その原因の一つは、海馬の代謝が低下しているからと考えられています。
人間の脳はストレスが発生すると、そのストレスに対処しようと「副腎皮質ホルモン」が分泌されます。
その副腎皮質刺激ホルモンの分泌が、長く続けば続くほど脳の機能は壊れていきます。
日常に感じる程度の一時的なストレスであれば、脳の回復・修復機能が働くので問題ありません。
また人間の体は、ホルモン分泌量を一定に保とうとする「恒常性維持」という機能があるので、副腎皮質刺激ホルモンの異常分泌も徐々に治まっていきます。
しかし問題はストレスが長く続いた場合です。

副腎皮質刺激ホルモンの異常分泌が慢性的となり、また恒常性維持も副腎皮質刺激ホルモンによって調節が上手くいかなくなるという、負のスパイラルに陥ってしまうのです。
脳はストレスホルモンに大変脆弱なため、ストレスが長期化することによって、不安や情動のコントロールを行う偏桃体の機能が低下し、食や睡眠という人間の基本的な欲求すら制御が利かなくなってしまいます。結果、過食拒食、不眠症などを併発します。
同様に、人間の記憶にかかわる「海馬」の新陳代謝が低下し、時に委縮を起こします。
そのため嫌な記憶が、海馬に留まり続けフラッシュバックを起こすと言われています。
ストレス対処法として学術的に認められている瞑想
近年、このストレスの対処法として、瞑想(めいそう)を習慣的に実践し、心身の健康維持に役立てる「マインドフルネス」という試みへの関心が高まっています。
マインドフルネスは、1970年代に米国の研究者ジョン・ガバットジンが、仏教のヴィパッサナー瞑想をヒントにマサチューセッツ大学で「マインドフルネスストレス低減法」を開発したのが始まりと言われます。
2000年に入ると、英国コヴェントリー大学教授ミゲル・ファリアスが、再発を含めたうつ病の治療を目的とした「マインドフルネス認知療法」を体系化しました。
これらがマインドフルネスを応用した臨床療法の代表格とされています。
さらに2010年にはロサンゼルスのチャールズ・ドリュー大学とコハラのハワイ大学の研究者が、マハリシの考案した超越瞑想(TM瞑想=transcendental meditation)は、うつ病の改善に効果的だと発表しました。
これらのことから、既に米グーグルやアップル、ゴールドマンサックス、インテルなど有力企業が従業員のストレス軽減・生産性向上という研修プログラムに採用しています。
国内でもストレス解消のための講習や、うつ病治療を目的とする試みは、臨床医療でも取り入れられ効果が実証されています。
脳科学的見地から見る瞑想効果
瞑想をすることによって、副腎皮質刺激ホルモンの分泌が抑えられ、またその反作用のある幸福ホルモン「セロトニン」や「オキシトシン」というホルモンが、投薬ではなく自然な形で分泌されます。
さらに成人の脳細胞は増えることはないと言われますが、例外的に容量を増やせる箇所が、先ほどご紹介した「海馬」。
瞑想により海馬の新陳代謝を促すことによって、うつ病を緩和し、不安や憂鬱を和らげる効果が期待できます。
瞑想は「なんとなくリラックスできる」という曖昧な効果ではなく、実際に脳科学的にも効果が認められています。
瞑想のやり方
瞑想は姿勢と呼吸が大切です。

座禅のようにあぐらを組んでも、椅子に座ってもいいですが、体や腕をリラックスさせ背筋を伸ばした状態で、手を体の前で組むことは守ってください。
次にタイマーを5分間にセットし、ゆっくり鼻から息を吸い、口から吐いてみましょう。
ひたすら呼吸に意識を集中します。
始めて数秒で、何かしらの雑念が浮かんでくることに気づくと思いますが、再び注意を呼吸に戻しましょう。
これを作為的に繰り返していると、次第に雑念が浮かばなくなってくるはずです。
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