瞑想が人体に及ぼす影響

瞑想の習慣化は、うつ病を始めとする精神疾患やトラウマなどのPTSD、ストレスの軽減への効果が科学的・医学的・心理的に認知されており、今やアメリカの瞑想産業は4兆円の市場と成長しています。
ニューヨークやシリコンバレーなどのエリートビジネスマンのメディカルケアとして利用されており、かのハーバード大学でもマインドフルネスセンターの設立など、「瞑想」は驚くほどアメリカ文化に浸透しているのです。
このように「瞑想」はスピリチュアルで怪しいという時代は、既に終わりを迎えたのです。
瞑想の健康効果とは
ストレス軽減
人間は1日に約5~6万回思考していると言われており、その思考の大半は、今向き合っている目の前の現実ではなく、ほとんどが過去や未来を彷徨っていると言われています。
つまり過去の体験を思い出し、ネガティブなフィードバックをしているか、起こってもいない未来の不安にフォーカスしていると言えるのです。
このような雑念に集中してしまう脳の回路のことを、DMNと呼び、この活動が脳エネルギーの約75%を消費する大食漢なのです。
実は、ストレスが溜まっている時ほど、DMNが活発になります。

このDMNの過剰な状態に効くのが瞑想です。
DMNが関係する脳の部位である後帯状皮質は、瞑想によって鎮静化することが実証されており、加えて恐怖や不安を司る扁桃体の異常な活性化も抑えられることが分かっています。
扁桃体の鎮静化により、恐怖や不安などのネガティブな感情の処理がスムーズに進み、同時に思考や判断、感情コントロールを司る、前頭前野が活性化されるのでストレス緩和に繋がるのです。
GAFAなどのリーディングカンパニーが、社員のストレスマネジメントの一環として、マインドフルネス瞑想を取り入れているのは、このためです。
免疫機能改善
免疫力低下の大きな原因として「ストレス」が挙げられます。
ストレスは自律神経を乱し、免疫力を低下させるのです。
瞑想にはリラックス効果があります。
人間はリラックス時にα波という脳波が出現することが分かっており、この時、βエンドルフィンというホルモンが脳内に分泌されます。
βエンドルフィンは、人間の心身に絶大な効力を持つ物質であり、幸福感を与え、ストレスの低減及び解消に重要な役割を果たします。
またβエンドルフィンは、脳の活性化のみならず、身体の免疫力を高める作用があり、様々な病気を予防することができるのです。
安眠効果
人間が睡眠に入る時、その脳波はβ波からα波に移ります。
先述の通り、瞑想はα波を発生させるため、寝る直前の瞑想には、必然的に安眠効果が表れるのです。
寝入りの悪い方や、不眠症に悩んでいる方には、睡眠前の瞑想を断然オススメ致します!
マインドフルネスとは
マインドフルネス瞑想(Mindfulness Meditation)は、マサチューセッツ大学医学校名誉教授であるジョン・カバットジン博士が、仏教におけるヴィパッサナー瞑想からヒントを得、瞑想から宗教的要素を除外した、最も科学的な瞑想と言われている瞑想のことです。
Apple・Google・Ford・Intel・McKinseyなど名だたる大企業が、社員の能力開発とストレスマネジメント目的として社員研修の一環として取り入れていることで、有名となりました。

マインドフルネスになるための手段として瞑想を行うことで、集中力が高まり、パフォーマンス能力が向上することも報告されています。
マインドフルネス瞑想のやり方
・瞑想は呼吸と姿勢が大切
座禅のようにあぐらを組んでも、椅子に座る姿勢でもいいですが、肩の力を抜き背筋を伸ばすようにしましょう。
リラックスした状態で姿勢を正すことと、体の前で手を組むことは守ってください。
・タイマーを5分間にセット 瞼を閉じゆっくり深呼吸を始める
鼻から吸う、口から吐くことに集中しましょう。
・雑念が浮かんだら再び注意を呼吸に戻す意識
始めて数秒で、何かしらの雑念が浮かぶと思います。
雑念は、心の浄化が進んでいる証拠だと受け入れることが大切です。
これを繰り返すことで、次第に雑念が浮かぶことがなくなってくるはずです。
瞑想はいつ行なってもいいですが、脳波がα波に近い状態の時が、瞑想に最も適しています。
つまり目覚めてすぐか、夜、寝る前が最適なのです。
不眠解消を目的にするなら夜、やる気向上を目的にするなら朝に実践するといいでしょう。
そして習慣として、毎日取り入れることが肝心です。