閉眼しない瞑想とは?初心者に有効?手動瞑想の効果とやり方

瞑想は、人の数だけその種類が存在すると言われるほどに多種多様です。
身体的なものから、呼吸や感覚を使ったものなど、その方法も非常に多彩です。
そのように様々の瞑想がある中で、大きく大別すると代表的な2種類が浮かび上がってきます。
サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想です。
サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想
サマタ瞑想は「止」の瞑想と言われ、ろうそくやマントラなどを対象に一点に集中し、心の動きを止めていきます。
最終的には、対象との合一を目指すという深い統一状態を目指していくものです。
一方、ヴィパッサナー瞑想は「観」の瞑想です。
物事をありのままに観察していく「気づきの瞑想」と呼ばれており、ブッダ(釈迦)が悟る為に用いた瞑想だと言われています。
この「気づき」により、苦しみの根源にある妄想や不安を取り除き、ありのままの自分で世界を観察することで、「智慧」や「洞察」が得られると説いています。(慈悲・抜苦与楽)
「最も科学的な瞑想」と言われるマインドフルネス瞑想は、これらサマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想がミックスされており、呼吸に意識を向け行う瞑想ですが、心に雑念が浮かび、実践の継続が思うようにできないという悩みをよく耳にします。

実は瞑想初心者が瞑想を閉眼で行うと、視覚情報が遮断される分、視覚以外の五感の感覚が鋭敏になり、雑念が浮かびやすくなると言います。
また過去の後悔や未来への不安が大きくなりすぎると、瞑想がかえって心の消耗に繋がってしまうという指摘もあります。
そのような方におすすめなのが手動瞑想です。
手動瞑想とは
手動瞑想は、タイのテーラワーダ仏教でのチャルーン・サティ(気づきの瞑想)という瞑想法が元となっており、ヨックムー・サーンチャンワと呼ばれています。
タイ北部の僧侶ルアンポー・ティアン師が編み出した方法です。
日本人でありながらタイの僧侶として出家されているプラユキ・ナラテボー師(タイ・スカトー寺副住職)の活躍で、日本でも知られつつある瞑想法です。
手動瞑想での気づきの対象は、意識的な手の動きです。

通常マインドフルネス瞑想では座って呼吸に意識を置くため、中にはどうしても注意散漫になってしまい続かないという人がいます。
歩行瞑想同様、手動瞑想では動作に着目するので、座禅を組んで瞑想するよりも感覚がつかみやすいというメリットがあります。
手動瞑想のやり方
姿勢
床に座って行う場合は、正座でも座禅のようにあぐらをかく座り方でも、リラックスできる体勢で行いましょう。
椅子に座るやり方でも構いません。
目は開き、1.5m先の地面を見るような目線で、頭は下げ過ぎないように、また上げ過ぎないようにします。
手の動かし方
1.両手は膝の上に置きます
2.心が落ち着いてきたら、右手の小指側を膝の上に立てるようにして置きます
3.肘は動かさず右手を垂直に、肘が45度になる程度に上げます
4.右手をお腹の上に当てます
5.同様に今度は左手の小指側を肘の上に立てるようにして置きます
6.肘は動かさず左手を垂直に、肘が45度になる程度に上げます
7.左手を右手の上に重ね、お腹の上に当てます
8.右手を胸に当てます
9.肘を動かさず右手を平行移動させ(3)の状態に戻します
10. 右手を膝の上に置き(2)の状態に戻します
11. 右手を(1)の状態に戻します
12. 同様に左手を胸に当てます
13. 肘を動かさず左手を平行移動させ(6)の状態に戻します
14. 左手を膝の上に置き(5)の状態に戻します
15. 左手を(1)の状態に戻します
ポイント
動作を流れ作業のように連続させず、ひとつひとつを出来るだけ区切って、別々の動作であると認識すること。
例えば腕を動かす時には、腕の感覚や存在に気づくなど、体というものにしっかりと気づきましょう。
最終的に、体の部位にそれぞれ意識が宿るようなイメージを目指しましょう。