「引き寄せの法則」を科学的に解説! エイブラハム瞑想の効果とは?

「引き寄せの法則」という言葉をご存じでしょうか?
2007年に映画「ザ・シークレット」をきっかけに、日本で流行した言葉です。
今、再度このワードが注目されるようになっています。
事実、新型コロナウイルスによる世界的大流行の最中、占星術などのスピリチュアルカテゴリーはビジネスとして加速しており、アメリカ市場においてその収益は4000万ドル(45億円)近く増えています。(2019年調べ)
予測不可能だったパンデミックから生じる未来への不安を、同じく目に見えない超自然的な力によるサポートで、予測し対策したいというニーズが発生しているのです。

「引き寄せの法則」もスピリチュアルなものなのでしょうか?
今回はこの「引き寄せの法則」を科学的・心理学的に読み解いていこうと思います。
「引き寄せの法則」とは
スコットランドに、ある貧しい織物職人の男の子がいました。
やがて一家でアメリカに移り住みますが、生活は相変わらずの貧しさ。
しかし彼は、持ち前の賢さと勤勉さと着眼点の鋭さを発揮し、後に「鉄鋼王」と呼ばれ世界的大富豪にのし上がっていきます。
その彼の名前を、アンドリュー・カーネギーと言います。
アンドリュー・カーネギーと言えばジョン・ロックフェラーに次ぐ、史上二番目の富豪とされ、事業で成功を収めた後、教育・文化・国際平和の分野などへ莫大な金額による慈善活動を行いました。
私たち日本人でも一度は耳にしたことがあるだろう「音楽の殿堂カーネギー・ホール」は、彼の慈善活動という功績の中では、小さすぎて言及もされていないと聞きます。
やがてカーネギーは、自らの哲学を万人が活用できる「成功の秘訣」として体系化したいと「自己啓発の祖」ナポレオン・ヒルに依頼するのです。
カーネギーを間近で研究し続けたナポレオン・ヒルは、著書「思考は現実化する」でカーネギーの成功法則の一つとして「引き寄せの法則」について語っています。
「注意と意識とエネルギーを向けるものは、良いことであれ悪いことであれ、現実のものとなる。波動は共鳴し、同じ波動を持つ出来事を引き寄せる。」
つまり人間はポジティブなものにフォーカスし、自身もポジティブであれば、自ずとポジティブな出来事を引き寄せるということを彼は伝えているのです。
「引き寄せの法則」を科学的に解釈する
人間の意識は「顕在意識」と「潜在意識」に分けられるという話を聞いたことがあるでしょうか?
「顕在意識」とは理性・知性・意思・決断など、論理的な思考による行動に直結しており、自らが意識して考えることが出来る領域のことです。
例えば、「今日はスーツを着て出社しよう」「珈琲か紅茶か悩む」といった自らの意思で決定を行ったり、悩んだりする場合に顕在意識が働いています。
一方「潜在意識」とは、感情・インスピレーション・記憶・想像・価値観など、普段意識することのできない領域にある意識で、顕在意識以外の無意識に備わっている部分のことを指します。
例えば、「仕事しなきゃ!と思いながらついついインターネットをしてしまう」など、自らの意識と真逆の行動を無意識に取ってしまっている場合、潜在意識が働いている状態と言えるでしょう。
当然、潜在意識をコントロールすることは難しく、しかも人間の意識の90%以上は潜在意識が占めているのです。
つまり人間は10%以下の意識しか、自分の意志でコントロールできないのです。

もしも潜在意識をコントロールすることができれば今までの何倍、何十倍ものスピードで「理想の人生」を実現することができます。
「引き寄せの法則」で願望が叶う!素晴らしい未来を引き寄せる!というキャッチコピーを見ますが、「引き寄せの法則」とは、心理学的に説明すると潜在能力をコントロールすることなのです。
「エイブラハム瞑想」を科学的に解釈する
引き寄せの法則に関して、「エイブラハム瞑想」というものがあります。
ベストセラー作家エスターヒックスが、宇宙の集合体「エイブラハム」からの、真理の教えを紹介した著書「引き寄せの法則」を元に行う瞑想です。
「エイブラハム」は、スピリチュアルガイドと呼ばれる霊的な存在と言われていますが、これを科学的に解釈すると「メタ認知」に該当します。
メタ認知とは、「認知していることを認知すること」と定義づけすることができますが、「物事を一つ上の視点(メタ=高次)から俯瞰する」こと・・・簡単に言うと「自分自身をモニタリングする」ということを指します。

瞑想(meditation)には多くの種類がありますが、その大きな共通目的の一つに「自らの心を俯瞰で観ること」が挙げられます。
「科学的内観視法」と言われる「瞑想」は、まさしく「メタ認知能力」を高めるトレーニングに他ならないのです。
潜在意識をコントロールするには
このように「引き寄せの法則」とは「潜在意識をコントロール」することであり、そのためには「メタ認知」が必要不可欠だという話をしました。
実は「潜在意識をコントロール」するためには、「メタ認知」以外に、もう一つ必要不可欠なものがあります。
それは「フィアマネジメント」です。
フィアマネジメントとは
フィアマネジメントとは呼んで字のごとく「恐怖をマネジメントする」というものです。
人間には「本能的恐怖」と「妄想的恐怖」とがあります。
「本能的恐怖」とは、「ライオンを見たら逃げる」のように「死」を連想させるものに起因した、肉体的な恐怖です。
一方、妄想的恐怖は、「暗闇に何かいるかも知れない」「今日のプレゼンは失敗するかも知れない」というような「想像力」に起因した、精神的な恐怖です。
実は人間が抱く恐怖のほとんどはこの「妄想的恐怖」であり、起こってもいない未来への不安なのです。
人間の意識の大半は、過去に起こった出来事に執着したり、起こってもいない未来を不安がったりと、「今この瞬間」ではない「過去」や「未来」への雑念が頭を占めています。

最も科学的な瞑想だと言われる「マインドフルネス瞑想」により自分の意識の時間軸を「今この瞬間」へと取り戻すことで、目の前で起こっている物事を認識し集中することができるようになります。
フィアマネジメントにはこの「マインドフルネス瞑想」を有効利用するのが最適です。
ジョブズもハマったマインドフルネス
Apple創始者、かのスティーブ・ジョブズも潜在意識を上手く活用するために、「マインドフルネス瞑想」を使ったと言います。
わずかでも今以上に潜在意識をコントロールできれば、日々の生活の行動が変わり、人生が好転し始めると言っても過言ではないでしょう。
このように「引き寄せの法則」とは、何もせず次々と願い事が叶うというような都合の良い話ではなく、「潜在意識をコントロールする」という努力が必要です。
潜在意識をコントロールするためには、「メタ認知」と「フィアマネジメント」が必要不可欠であり、その手段になるのが「マインドフルネス瞑想」なのです。