瞑想は長ければ長いほどいい?15分間瞑想の驚くべき効果!

もしも今から15分間休憩時間があるとしたら、あなたはどのようなリフレッシュ方法を取りますか?
コーヒーブレイク?あるいは仮眠?
カレッジフローニンゲン大学(オランダ)の研究によると、1日15分間の瞑想(メディテーション)は、1日の休暇に匹敵するリラクゼーション効果が得られるそうです。
40人の被験者に、オーディオガイドによる15分瞑想を非連続的に2週間実施し、毎日幸福・感情・注意力を調べる実験を行いました。
すると瞑想を行った日は、瞑想を行わなかった日に比べ、ネガティブ感情が少なく、逆に感謝などのポジティブな感情・幸福感など肯定的な感情のレベルが高いことが、ヒアリングから分かりました。
この傾向は、同様の実験を休暇中にも行った際の報告内容と酷似しており、15分の瞑想は心の集中という観点から1日の休暇に匹敵すると、カレッジフローニンゲン大学は結論付けています。
(参考:15-minutes of meditation associated with similar effects as a day of vacation)

以上の見解から、「時間があるならビーチチェアに座りなさい。時間がなければ瞑想用のクッションに座ることす。」とカレッジフローニンゲン大学クリストファー・メイ助教は語っています。
15分間の瞑想効果とは
集中力の上昇
カナダブリティッシュコロンビア大の研究では、9歳の子供約100人を対象にマインドフルネス瞑想(Mindfulness Meditation)を8週間行ったところ、数学のスコアが15%も上昇したという結果があります。
(参考:Enhancing Cognitive and Social–Emotional Development Through a Simple-to-Administer Mindfulness-Based School Program for Elementary School Children: A Randomized Controlled Trial)
これは瞑想により、脳の内側前頭前野が活性化し後帯状皮質の機能が鎮静化したためと考えられます。
内側前頭前野と後帯状皮質は記憶や感情に加え、いわゆる雑念回路と呼ばれるDMNに関係が深い部分です。
実は人間の脳は、有事の際いつでも活発に動けるように、常に準備をしています。
例えるならば車のアイドリングのようなもので、脳はこのDMN活動に、なんとエネルギーの75%を費やしているというのです。
人間の意識の大半は、過去に起こった出来事に執着したり、起こってもいない未来を不安がったりと、「今この瞬間」ではない「過去」や「未来」への雑念が頭を占めています。

「マインドフルネス瞑想」により、自分の意識の時間軸を「今この瞬間」へと取り戻すことで、目の前で起こっている物事を認識し集中することができるようになります。
瞑想と聞くと、スピリチュアルや宗教的なイメージが先行してしまうかもしれませんが、米脳医学者ジョン・カバットジンが、仏教におけるヴィパッサナー瞑想に気づきを得、瞑想から宗教的要素を除外し考案した「マインドフルネス瞑想」は、最も科学的な瞑想であると言われています。
決断力の上昇
人間は生存本能の観点から、安心安全の欲求があり、本能的に変化を嫌う動物です。
変化に対してネガティブなイメージを抱き、生存率を上げようと用心する行動を取りやすいのです。
つまり人間とは、本能的にネガティブな生き物なのです。
しかし狩猟時代のように、恐怖回路を働かせ、絶えず危険に注意しなくてはならないような弱肉強食の時代は終わり、現代は安全が確保されている社会です。
然るに現代では、人間はネガティブ本能に支配される必要はないのです。
人間の恐怖や不安は、たった15mmほどしかない脳の扁桃体が司っています。
この扁桃体が前頭葉をコントロールしており、ネガティブな感情の処理を行わせています。
先述のカレッジフローニンゲン大学の研究にあるように、1日15分の瞑想は人間にポジティブな思考や感情を与えます。
なぜなら、瞑想は扁桃体の活性を落ち着かせ、さらに前頭葉をより理性的に働かせる作用があるからです。
ポジティブな思考回路になると、人間は積極的かつ合理的な判断を行えるようになるため、決断力が上昇します。
老化の防止
「テロメア」をご存じでしょうか?
人間の身体は、約60兆個の細胞の集合体であり、細胞が分裂に分裂を重ね、一つ一つの臓器となって動いています。
それらの設計図がDNAであり、そのDNAの末端にはテロメアという組織があります。
テロメアは別名「命の回数券」と言われ、細胞分裂の回数を司っています。
分裂に伴い、テロメアは少しずつ短縮していくのです。

テロメアが20%以下まで短くなった古い細胞は、ほとんど細胞が分裂しなくなり、例え分裂してもエラー細胞を作りやすく、組織の修復・再生が困難になってきます。
さらにテロメアの短くなった細胞は有害な物質を放出し、周囲の細胞を巻き込んで炎症し破壊を引き起こします。
これがいわゆる老化現象です。
テロメアが短くなると起こるのが「老化」なのです。
テロメアは時間経過(年齢)のみならず、ストレスや有害物質で傷つきますが、細胞には「テロメラーゼ」という酵素が備わっており、これがテロメアを修復し、伸長する役割があることが今わかっています。
カリフォルニア大サンフランシスコ校の研究によると、驚くことに毎日12分間の瞑想は、このテロメラーゼの働きを40%も活性化させることが医学的に明らかになっているのです。